*「地球の限界(プラネタリーバウンダリーズ)」というコンセプトは、地球のシステムの安定と自己回復力を整えるプロセスの限界点を提示し、その範囲内で活動することで、人類が今後何世代にもわたって繁栄し続けられるようにするためのものです。
当社の製品が、人類が安全に暮らしていくことのできる環境の観点からみた
プラネタリーバウンダリーズに配慮した方法で製造されることは重要です。
地球の限界とは、気候変動、土地利用、淡水利用、化学物質による汚染などがあります。
私たちは原材料の購入から製品の販売に至るまで、温室効果ガスや廃棄物、水質汚染を最小限にする方法を探っています。
私たちは気候変動への取り組みに一役買うことを決意しました。トミー ヒルフィガーの「クライメイト・クール(地球を冷やそう)」タスクフォースのメンバー、ハンナ・ウィットマーシュ、モニカ・ヴィシュニック、ドミニク・シャルは当社の事業活動において排出される温室効果ガスを大幅に削減しました。
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"Made for Life" – Our 2030 Vision
私たちは原材料の購入から製品の販売に至るまで、
気候変動、土地利用、水質保全、化学物質による汚染など環境の観点からみた
地球の限界(プラネタリーバウンダリーズ)に気を配り、事業活動に取り組んでいます。
「MADE FOR LIFE(地球に優しく)」が私たちにとって意味するもの
2030年までに、当社のバリューチェーンで排出される温室効果ガスをSBT(Science Based Targets、科学と整合した目標設定)の認定基準を超えて削減、全ての廃棄物のリサイクル・リユース、サステナブルな水利用を実現します。
私たちの「MADE FOR LIFE(地球に優しく)」が目指すもの
スコープ1、2、3全体の温室効果ガス排出量を、SBTの削減経路の目標値よりも大きく削減します。
不可避的に発生する廃棄物は、リユースまたはリサイクルすることで同等かそれ以上の品質や価値の保持に努めます。
バリューチェーンにおける水使用量を可能な限り削減し、水リスクの高い流域の水資源を守るために人々と協力します。
これまでの成果
私たちは、既に最初の一歩を踏み出しました。今後も、達成した目標や遭遇した試練など、その経過を皆さんと共有します。
環境への影響が少ないデニム
すでに、トミー ヒルフィガーのデニム商品の43%に当たる、200万点以上のアイテムは環境への影響が少ない技術※で製造されています。これは従来よりも水やエネルギーの使用量を抑えた製法です。
※私たちのデニム製造のサステナビリティ インパクトを測定するため、PVHのLIDプログラムではEIMソフトウェアを使用し、デニム洗浄1回当たりのサステナビリティ・インパクトを0~33:低インパクト、34~66:中インパクト、67~100:高インパクトとして分類しています。
温室効果ガス排出量の削減
私たちは建築デザインルールブックを作成しました。ここにヨーロッパ全土のオフィス、店舗、倉庫で温室効果ガスを削減するためのガイダンスが定められています。さらに、店舗向けのサステナビリティに関するガイドラインと評価指標をセットにしたGreenUP!ツールを開発しました。
ヨーロッパでは、PVHの店舗の85%にLED照明を導入しています。また、PVHの施設の50%は再生可能エネルギーを動力源としています。
北米では、トミー ヒルフィガーの店舗の95%でLEDの可動式レール照明導入。また、2017年以降にオープンした店舗のうち、LED使用率100%を達成した店舗数がこの2年で大きく上昇しました。北米にあるトミー ヒルフィガーの新店舗は全て完全LED照明です。私たちは、2012年にLED化プログラムを開始して以来、従来のメタルハライドランプや蛍光灯に比べて寿命の長いLED電球を使用することで、35万個以上の電球を節約してきました。
2019年には航空輸送を40%削減しました。
Water Stewardship
(ウォーター・スチュワードシップ)
中国では、the Chinese Textile Association(中国繊維協会)および世界自然保護基金(WWF)と協力して130以上のサプライヤーと55の工業団地に対し、より効果的な水リスク対策に関する研修を実施しました。また、共同開発した無料研修アプリは、H&MやTarget、Tchiboのサプライヤーをはじめとする、中国国内の約200のサプライヤーで公開されています。
トミー ヒルフィガーは、ベトナムのメコン川流域における新しいウォーター・スチュワードシップ・プログラムの共同設立者です。このプログラムでは、サプライチェーンの改善や国境を越えた学習の促進によって、メコン川流域の水リスク、エネルギーリスク、気候リスク軽減に取り組んでいます。
2020 – 2030年 目標達成に向けてのロードマップ
私たちがヴィジョンを実現するためのロードマップは次の通りです。世界が進化し、新たな機会が生まれるに伴い、私たちも進捗状況を随時更新して目標を強化し続け、さらにその先へと進んでいきます。
2025年
2020年以降、デニムの50%を環境へのダメージを抑えた製造法で仕上げ、2025年までにはデニムの50%に環境へのダメージを抑えた生地を使用します。
2025年
私たちの事業およびサプライチェーンの梱包材の100%をリサイクルやリユース、コンポスト(堆肥)としての使用が可能なものにし、全ての製品を石油系の使い捨てプラスチック包装を使用することなく、お客様にお届けします。
2025年
水処理装置の排水に含まれる有害化学物質をゼロにするとともに、有害なマイクロファイバーをろ過して取り除きます。
2025年
水ストレスの高い原料調達地域において、3つの共同行動プロジェクトを立ち上げます。
2030年
2025年までに私たちのオフィス、倉庫、店舗で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄い、2030年までにサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を30%削減することを促進します。
2030年
全てのオフィス、流通センター、店舗で廃棄物ゼロを達成し、使い捨てプラスチックの使用を廃止します。
ヴィジョン実現のため、私たちは限界に挑戦し、原材料加工、製造、企業活動が環境に与える影響を減らす取り組みを迅速に進展させていかなければなりません。
もちろん、私たちだけで実現できることではありません。トミー ヒルフィガーの常に進化し続けるイノベーションプランには、パートナーシップや共創体制が欠かせません。今現在、私たちが力を入れているのは、思いもよらないコラボレーションを見出し、それを実現すること。さらにはコラボレーションを通じて、排出するよりも多くの量の温室効果ガスを吸収するカーボンポジティブな製品を生み出したいと考えています。