MAKING PROTECTION POSSIBLE
~環境保護を可能に~

アンジェラ氏との対談

世界の水を守る環境エキスパート

アンジェラ・オルティガーラ氏は子どもの頃ブラジルで過ごし、水の重要性を実感していました。水は自然にとっても、そして住民にとっても重要だったのです。アンジェラ氏は語ります。「私はペイシェ川の近くに住んでいました。『魚の川』という意味の名前がついたこの川は、かつてはたくさんの魚が生息する美しい川でした。しかし、私が住んでいた頃には水質が悪化していて誰も釣りをしなくなっていました。」もはや名前どおりの川ではなくなり、この川に頼って生活していた人々は去っていきました。

犯人は誰?それは汚染です。世界中で、家庭ごみ、農業廃棄物、産業廃棄物の多くは、川や湖へ、そして海へと流されています。繊維産業も例外ではありません。コットンやレザーといった原材料の加工、染色や仕上げの工程に必要な何千リットルもの水が使われると同時に、有害物質も排水されていきます。

繊維産業は3大汚染産業の1つで、大量の水資源を消費します。

現在、41%の人々が深刻な水問題を抱えた地域で暮らしており、水の需要は2050年までにさらに現在の3分の1ほど高まるだろうと推定されています。つまり、喫緊の課題なのです。

これは、アンジェラ氏にとってあまりにも身近な問題です。「かつて毎日のように『魚の川』にかかる橋を渡っていたとき、水質問題への関心が高まり、水質管理の仕事に身を捧げたいと決意しました。」アンジェラ氏は国連と一緒に水資源政策に従事し、現在、世界自然保護基金(WWF)で繊維部門のウォーター・スチュワードシップを推進しています。

現在、41%の人々が深刻な水問題を抱えた地域で暮らしており、
水の需要は2050年までにさらに現在の3分の1ほど高まるだろう
と推定されています。

4 Made For Life - Other Story 02 - Zoe copy

2013年、トミー ヒルフィガーは、ファッション業界における重要な役割を担う企業として、膨れ上がる水不足の問題に中心となって取り組む必要があると決意しました。そこで、WWFと連携を取り、「フェンスの中」(トミー ヒルフィガーの製造施設内)と「フェンスの外」(水域を共有する他の業界、政府、NGO、団体と協力して取り組みを進めていくこと)における、さらにサステナブルな水の利用に焦点をあてた長期戦略を共同で作成しました。

「この取り組みで重要なのは、各企業の施設にだけ目を向けるのではなく、『川の流域』という視点から取り組むことです。トミー ヒルフィガーやPVHコープといった提携企業が、この構想を全面的に支援してくださっていることは大きな成果だと考えています。」とアンジェラ氏は言います。

トミー ヒルフィガーのサプライチェーンを綿密に分析した結果、中国の太湖、ベトナムのメコン川流域、トルコのメンデレス川流域の3カ所が重大な水リスクに瀕していると判明し、トミー ヒルフィガーとWWFは、現在、ウォーター・スチュワードシップ・プログラムを実施しています。トミー ヒルフィガーの施設は自社の水管理のみならず、他のブランド、特に同じ工業団地にあるブランドと協力して水の利用方法を改善しました。中国では、このプログラムのもと、136社がウォーター・スチュワードシップのトレーニングを受講しました。さらに、中国国家繊維・アパレル評議会のサポートのもと開発したアプリを使えば、受講会場へ足を運ぶことができない方々でもトレーニングを受講できるようになっています。

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「重要なのは、仕入れ先に対して、(よりクリーンな生産を目指す)
クリーナープロダクション・プログラムを守っている実例があると
はっきり示すことです。
これはウィンウィンの状況になりえるのです。」

WWFなどのNGOのヴィジョンや特定の専門技術が変化を起こすうえで重要な役割を果たす一方で、ブランドも別の角度から影響を与える立場にあり、こうした連携は世界を良くしていく強い力になるのです。「規制が施行されない時には、グローバルブランドの購買力が国際水準の遵守を要請するために役立つ場合があります。重要なのは、仕入れ先に対して、(よりクリーンな生産を目指す)クリーナープロダクション・プログラムを守っている実例があるとはっきり示すことです。これはウィンウィンの状況になりえるのです。」

WWFとトミー ヒルフィガーの次の取り組みは、PVH の他のブランドや業界の提携企業と協力し、国によって異なるウォーター・スチュワードシップのプロジェクトがどのように国連の持続可能な開発目標を支えているかを測る枠組みを作成することです。

必要とされているのは、このように広い視野で協力し合いながら問題を考えることです。水の危機が、その流域で暮らす人たちや活動している人たち全てに影響するのと同様に、その解決策も全ての人に共有されます。アンジェラ氏は語ります。「環境に関するグローバルな課題は膨大にあります。どの企業も単独で問題を解決することはできません。市民社会、他の企業、財界、政府等と協力して取り組むことが最も効果的です。今、私たちは、トミー ヒルフィガーとの取り組みを通じて、より多くの繊維産業やアパレル業界のブランド、さらには食品産業や農産業等のブランドがこの取り組みに参加してくれることを願っています。」

トミー ヒルフィガーでは、衣類は地球に配慮した方法で作られるべきだと考えられています。原材料の購入から製品の販売に至るまで、地球への影響をできる限り抑えたいのです。そこで私たちは温室効果ガスや廃棄物、水質汚染の削減に取り組み、地球に優しいファッションを創り出しています。
トミー ヒルフィガーの行動計画の詳細については、こちらをご覧ください。