私たちは、何も廃棄するものにすべきではないと信じています。
ファッション業界には改善の必要があり、私たちはその解決策の一部になりたいと考えているのです。
そこで、リサイクルや再生資源から作られた素材を使い、サーキュラリティ(循環性)を優先して製品をデザインし、新たな資源を使用せずに生み出した製品を更にリサイクルする方法も提供するという革新的な取り組みを進めています。
そして消費者に、新しい製品を買うのとは別の方法で、衣類を最後まで使い切るための機会を提供します。
ジーンズ1着を生まれ変わらせることは果たして可能か?
オマー・アクソイ氏の協力のもと、私たちは世界初となる100%リサイクルデニムの開発に取り組んできました。
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2030年までに、当社の製品は、循環型ビジネスの原則に沿ってデザイン、生産、(再)流通され、製品の寿命が尽きた後には全ての素材が繰り返し使用可能な生物学的および技術的ループの一部になるようにします。
循環型のビジネスモデルを、トミー ヒルフィガーの事業の中核とします。
合成素材はリサイクル原料から、天然材料はリジェネレーション(再生)システムから生まれたものを使用し、それらを再生または補充するためのシステムに貢献します。
使用した材料が、生物学的または技術的なループに戻ることができるようにします。
当社の製品は、循環の原則に従って
デザイン・生産されます。
私たちは既に長い旅の最初の一歩を踏み出しました。この先私たちが達成した目標や遭遇している課題など、その道のりの全てを共有します。
現在までに、世界中のトミー ヒルフィガーのデザイナーの80%以上が、循環型デザイン戦略に関するトレーニングを受けています。
私たちは、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの研究センターであるサステナブル・ファッション・センターと提携して、デザインおよび開発チームのために循環型デザインのトレーニングカリキュラムとガイドブックを開発しました。
2019年春、裁断台や工場の床に残されたコットンの切れ端、リサイクルされたペットボトルから作られた糸、そしてよりサステナブルなボタンを使用して、最初の100%リサイクルコットンデニムジーンズスタイルを発売しました。これによりトミー ヒルフィガーは、工業規模で100%リサイクルコットン生地をデニムジーンズに使用した最初のブランドとなりました。
また、着用後にリサイクルされたコットンを少なくとも20%使用したデニムも、60万点以上生産しました。
私たちは社内向けに「サステナブル・マテリアル・ダッシュボード」をリリースし、使用しているサステナブルな素材の量を詳しく把握できるようにしました。データは、製品部門別、製品カテゴリー別、仕入先別など、さまざまなレベルで分析できます。収集されたデータは、当社のコレクションにおけるサステナブルな素材の利用を後押しし、加速するために使用されます。
コットン
2019年に私たちが世界中で使用したコットンのうち、72%はよりサステナブルな材料から作られたものであり、2015年の13%から増加しました。
2019年春と2020年春のコレクションでは、100%リサイクルコットンを使用しました。
サステナブルな素材
F1世界チャンピオンのドライバー、ルイス・ハミルトンとのコラボレーションである2020年春のTOMMYXLEWISコレクションの75%は、100%オーガニックコットン、リサイクル素材、ダウン代替品、環境へのダメージを減らしたウォッシュ加工のデニムなど、よりサステナブルな素材を原料にしています。
サステナブルなフットウェア
TOMMYXLEWISヴィーガンスニーカーラインは、2019年度のPETAメンズウェアアワードのベストコラボレーション賞を受賞しました。
ヨーロッパでは最近、レザーの代わりにリンゴ繊維をリサイクルした素材を24%使用したアップルスキンスニーカーを発売しました。
2018年、私たちは親会社であるPVHコープと共に、アメリカの州や市、企業、NPOなどが組織を作りパリ協定から離脱しないことを世界の指導者に示した宣言「We Are Still In」(われわれはパリ協定に残る)に参加しました。また、2050年までにファッション業界の温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロを目指す国連のイニシアチブ「ファッション業界気候行動憲章」、そして2030年までに当社が所有および運営する全ての施設で使用する電力を100%再生可能電力で調達するという目標を掲げ「RE100」にも加盟しています。
2019年にはエレン・マッカーサー財団(EMF)のジーンズ・リデザイン・プロジェクトに参加し、デニム業界のサーキュラリティ(循環性)を促進するガイドラインに署名しました。また、「ファッションパクト」に署名し、共にファッション業界全体のサステナビリティを向上させ、ファッション業界を国連の持続可能な開発目標に適合させることに取り組むブランドグループの一員となりました。
私たちがビジョンを実現するためのロードマップは次の通りです。世界が進化し、新たな機会が生まれるに伴い、私たちも進捗状況を随時更新して目標を強化し続け、さらにその先へと進んでいきます。
2020年以降、デニムの50%を環境へのダメージを抑えた仕上げの製法を使い、2025年までにはデニムの50%に環境へのダメージを抑えた生地を使用します。
循環型*デザイン を、全ての衣服の標準とし、リサイクルや再利用することなく廃棄されてしまうリニア型デザインからは正式に脱却をする必要があります。
PVHの“フォワードファッション”戦略に定義されている通り、当社の売れ筋商品の上位3点について、主要な原材料の完全なトレーサビリティ(追跡可能性)を含めた全面的な循環型にします。
各地域で消費者が新しい製品を購入するのとは別の方法でトミー ヒルフィガー製品を楽しめるようにします。そして、全ての消費者に使用済みのトミー ヒルフィガー製品をリサイクルのため返却する機会を提供します。
石油由来 のバージンポリエステルの使用を段階的に廃止し、100%サステナブルな原料で作られた当社の人工セルロース、レザーやウールなど、環境へのダメージを抑えた代替品に移行します。また、ナイロンの40%をリサイクル素材由来とします。
*当社のサーキュラーデザインのガイドラインにて定義された循環型
ビジョンを達成するため、私たちは限界に挑み、循環型のデザインやシステム、そして素材の進歩を加速させなくてはなりません。
これを単独で実行するのは不可能です。ですから、パートナーシップと共同製作こそ、絶えず進化する私たちのイノベーションプランの軸となります。現在私たちは、リサイクルされたコットン繊維の品質を向上させるために、リサイクル技術の向上に注力しています。