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クリスティーナ氏との対談

誰もが服を簡単に購入できるようにしたデザイナー

障害者にとって服を着る行為が大変な場合もあります。トミー ヒルフィガーは、様々な体型の人や、障害を持つ人たちの幅広いニーズに応えるためアダプティブウェアを立ち上げ、マジックテープやマグネット式ボタンを採用したり、ウエストや裾を調節できるようにしたりしました。

しかし、アダプティブウェアを立ち上げることと、簡単に購入できるようにすることは別の話です。

クリスティーナ・マロンは両腕の麻痺が発症したとき、服を着ることだけではなく、服を購入すること自体が大変なのだと身をもって知りました。多くの障害者と同様に、クリスティーナはマウスとキーボードを使ってウェブサイトを操ることは時間がかかり困難だと感じたのです。

広告やマーケティングに従事していたクリスティーナは、取引先の多くに盲点があると気づきました。「私が関わってきたブランドの中には、自分のためのものがないと感じました。そのことで、有名ブランドやマーケターが世界の人口動態に正しく対応するために自分がどのように貢献できるのか考えるようになりました。将来性のある企業や技術を構築していく中で、大勢の人を置き去りにはできません。」

クリスティーナはMIT(マサチューセッツ工科大学)の「Open Style Lab」にて全ての障害者が使いやすいウェアラブルの開発に力を注ぎ、トミー ヒルフィガーのパートナー会社であるWunderman Thompsonでは、人々が服を購入する方法を変えるアレクサ スキルを開発し、Inclusive Design Leadに就任しました。

「私が関わってきたブランドの中には、
自分のためのものがないと感じました。
そのことで、有名ブランドやマーケターが世界の人口動態に正しく対応するために自分がどのように貢献できるのか考えるようになりました。」

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アメリカでは、「トミー ヒルフィガー アダプティブ スキル」を使えば、誰でも声だけでトミー ヒルフィガー アダプティブのサイトを操作できます。まず、購入可能な服の候補が表示されます。購入の準備ができたら、性別(ノンバイナリーを含む)と服の着脱で困難な点を質問されます。これは設計で重視した部分だとクリスティーナは語ります。「障害そのものではなく、服の着脱における課題に目を向けると、偏見が緩和されるのです。」

次に、Tシャツ、ジーンズ、セーターなど、探しているアイテムについて音声で尋ねられ、それぞれのアイテムの音声説明を聞くことができます。そしてサイズやカラーを選択し口頭で伝えると、カートに入れることができます。

「トミー ヒルフィガー アダプティブ スキル」の開発にあたり、クリスティーナとWunderman Thompsonのチーム、そしてトミー ヒルフィガーのイノベーションチームは、障害を持つ人たちから学ぶために緊密な連携体制をとりました。

「障害者をサポートしていると主張するブランドはたくさんありますが、プロジェクトの中心に障害者が採用されているわけではないことに気づきました。しかしトミー ヒルフィガーは、そこを重視しました。トミー ヒルフィガーの理念は、『自分たちは知らないということを知る』です。その理念のもと、障害者に関する調査に多額の資金を投じ、真の製品と経験を生み出したのです。」

その結果、人々の生活に大きな変化をもたらす技術が生まれました。「障害を持つ人たちは自分たちが考慮されていない世の中で生きています。パソコンや携帯の単純な操作でも、健常者と比較して2倍から3倍の時間を要します。時間は誰にとっても大切です。これまで私は自分のことを考慮して作られていなかった製品や機器のために非常に多くの時間を費やしていきました。このような技術により、私は人生の多くの時間を取り戻すことができるのです。」

「トミー ヒルフィガー アダプティブ スキル」のような技術はメッセージを発しているとクリスティーナは言います。「これはチャリティーではありません。これまで目が届いていなかった領域にむけてデザインすることは、イノベーションにつながります。さらに、他のブランドでも実現可能であるということを伝えています。あなたの声を使って食料品店の買い物をしたり、予約をしたりすることが間もなく簡単になるでしょう。」

「時間は誰にとっても大切です。
これまで私は自分のことを考慮して作られていなかった製品や機器
のために非常に多くの時間を費やしていきました。
このような技術により、私は人生の多くの時間を
取り戻すことができるのです。」

クリスティーナはこれが始まりにすぎず、大きなムーブメントになるように望んでいます。「私たちは多様性を進化させることが必要です。障害者は最も大きな少数派で、多くの人が人生のどこかでその少数派の一員になることでしょう。トミー ヒルフィガー アダプティブ は充実した人生を歩んでいる障害者にスポットを当てることで、そのニーズを正確に表現できるのです。」

トミー ヒルフィガーは、年齢、体型、ジェンダー、セクシャリティ、障害に関係なく、誰もが心地よくいられる服を着るべきだと考えています。そこで私たちはブランドの力を活かして、インクルージョン(包括性)を擁護し、偏見に立ち向かいます。私たちは常に全ての人を受け入れ、誰にとってもアクセス可能な存在であり続けます。
トミー ヒルフィガーの行動計画の詳細については、こちらをご覧ください。